加藤文麗 (KATO Bunrei)
加藤文麗（かとうぶんれい、宝永3年（1706年） - 天明2年3月5日 (旧暦)（1782年4月17日））は江戸時代中期の日本の画家である。
谷文晁の師として知られる。
名前は泰都、幼名は泰高、字を文麗、号 (称号)は豫斎、通称を織之助、左金吾と称した。
文麗は「寛政重修諸家譜」に載るほどの名門の出身。
すなわち伊予国大洲藩第3代藩主加藤泰恒の6男で、一族の加藤泰茂の養嗣子となって家督3千石を継いだ。
また子の加藤泰みちは本家の家督を継ぎ大洲藩主となっている。
幼少より画を好み、武道の修練の傍らに木挽町狩野の画家（狩野常信のちに狩野周信）について狩野派の画法を学ぶ。
江戸に出て下谷竹町の藩邸に住んだ。
文麗と谷文晁の父 谷麓谷とは旧知の仲であったため少年期の文晁の師となり狩野派を伝えた。
文晁の名は文麗に因んだものと推察されている。
事実、文晁は文政4年（1821年）の伝来書に自ら文麗門下と称している。
享年78。
江戸麻布広尾光林寺に葬られる。
文麗のように高位の武士にして画人として名を残した例は珍しいといえる。
経歴
正徳 (日本)4年4月（1714年）寄合に列する。
享保7年（1722年）八代将軍徳川吉宗に謁見。
享保16年9月（1731年）火事見廻りとなる。
享保17年5月（1732年）御使番となる。
寛保3年8月（1743年）新番頭に転じる。
寛延2年（1749年）大坂定番となる。
寛延3年7月（1750年）西城御小姓組番頭に昇進。
寛延3年12月（1750年）従五位下伊予守に叙せられる。
宝暦3年（1753年）致仕する。
作品
「龍虎図」京都・建仁寺開山堂方丈
「達磨図」東京・済松寺
「山水図」『明和南宗画帖』東京国立博物館