吉備由利 (KIBI no Yuri)
吉備 由利(きび の ゆり、生年不詳 - 宝亀5年1月2日 (旧暦)(ユリウス暦774年2月17日))は奈良時代後期の宮人。
吉備命婦とも。
系譜
吉備真備の娘か姉妹とみられる。
経歴
藤原仲麻呂の乱後、真備とともに称徳天皇に信頼された。
側近として典蔵を務め、従三位に昇進した。
神護景雲4年(770年)、称徳天皇が病臥すると、ただ一人寝所に出入りを許され、群臣との取り次ぎを務めたという。
この間、勅旨によって藤原永手と真備に軍事権が委ねられている。
同年8月に称徳天皇が没すると、真備は後継者として文室浄三を、次いでその弟の文室大市を推したが失敗し、失脚した。
しかし由利はその後も尚蔵に昇進しているため、真備を裏切った可能性も考えられる。