横道萬里雄 (YOKOMICHI Mario)
横道 萬里雄(よこみち まりお、1916年 -)は、能の研究者・演出家。
東京府生まれ。
暁星小学校・暁星中学校時代の同級生に柴田南雄がいる。
東京高等学校 (旧制)を経て東京大学理学部動物学科卒業後、1941年、東京帝国大学文学部国文科卒業。
1953年、東京文化財研究所芸能部文部技官となり、音楽舞踊研究室長、芸能部長。
1964年、表章との共編『謡曲集』により芸術選奨文部大臣賞受賞。
1976年、国立能楽堂設立準備専門調査会委員。
1976年から1984年まで東京芸術大学音楽学部楽理科教授。
1984年、沖縄県立芸術大学附属研究所教授、所長を務める。
1983年、紫綬褒章受章。
1987年『能楽の研究』で日本演劇学会河竹賞受賞、1998年、伝統文化ポーラ賞特別賞、2003年、仏教伝道文化賞、2006年、田辺尚雄賞、2007年、エクソンモービル音楽賞受賞。
ほかに法政大学能楽賞受賞。
その他、東洋音楽学会会長、楽劇学会会長などを務める。
表章とともに、戦後の謡曲・能楽研究をリードし、能楽師らとの協力のもとに、能楽をアカデミックな研究の対象として言説上で整理を行うほか、自ら演出も行った、戦後能楽界の巨人とも言うべき存在で、90歳になった今も現役で活躍している。
著書
能と狂言の世界 対談 五人の人間国宝にきく 平凡社, 1972
能劇逍遥 筑摩書房, 1984
能劇の研究 岩波書店, 1986
能劇そぞろ歩き 能楽書林, 1996
謡リズムの構造と実技 能...地拍子と技法 檜書店, 2002
体現芸術として見た寺事の構造 岩波書店, 2005
能にも演出がある 小書演出・新演出など 檜書店, 2007