源兼行 (MINAMOTO no Kaneyuki)
源兼行(みなもとのかねゆき、生没年不詳)は、平安時代中期の能書家。
官位は正四位下大和守。
父は能書家として名声のあった上総介源延幹。
陽成源氏で陽成天皇の第六皇子正二位大納言源清蔭の末裔。
父、延幹は清蔭の孫とも曾孫ともいう。
当時第一の手書きと称され、位記(位を授ける際に与える文書)や上表文の清書、願文(祈願の意を表す文書)の執筆、色紙形や門に掲げる額の揮毫などを担当した。
後冷泉天皇・後三条天皇・白河天皇の3天皇にわたり、大嘗会の悠紀主記屏風の色紙形の揮毫を行っている。
宇治平等院鳳凰堂(阿弥陀堂)の色紙形の執筆やその筆跡から「桂本万葉集」や「高野切」第二種など一連の古筆が兼行の筆によるものとされている。