細川頼有 (HOSOKAWA Yoriari)
細川 頼有（ほそかわ よりあり、元徳3年5月2日 (旧暦)（1332年5月26日） - 元中8年/明徳2年8月9日 (旧暦)（1391年9月7日））は、南北朝時代 (日本)、室町時代の武将。
讃岐十郎。
官位は掃部助、宮内少輔、右馬頭。
備後国守護、阿波国守護。
足利氏の有力一門である細川氏の一族。
父は細川頼春。
兄弟に3代将軍足利義満時代の名管領細川頼之、細川頼元ほか。
子に細川頼長。
近世細川家の祖となった細川幽斎（幽斎）、細川忠興（三斎）父子や熊本県知事・内閣総理大臣を務めた細川護煕は頼有の末裔である。
経歴
室町幕府内の抗争から発展した観応の擾乱においては、父の頼春に従い将軍足利尊氏の側に属して京都で戦っている。
正平 (日本)7年/観応3年（1352年）の頼春の戦死後も、男山合戦では讃岐国勢を率い、阿波勢を率いた兄の頼之とともに参加している。
正平11年/延文元年（1356年）3月、阿波から伊予国平定に発向した頼之を支援する。
頼之が管領に就任して幕政に関わると守護代として領国経営を任され、国人の被官化などに務め、南朝 (日本)方の河野氏と戦う。
天授 (日本)5年/康暦元年（1379年）、康暦の政変で頼之が失脚、頼之追討令が下り、かつて頼之が滅ぼした同族細川清氏の子の細川正氏が阿波で蜂起し、さらに伊予で再び河野氏が勢いづく。
こうした事態に直面した育成した頼有は被官を結集させ、下国した頼之を迎えて抗戦する。
元中4年/嘉慶 (日本)元年（1387年）に家督を譲る。
頼之の赦免後、元中7年/明徳元年（1390年）には将軍義満の命で頼之とともに山陰の山名時熙の追討に加わり、翌年には60歳で死去。
法号は通勝で、京都建仁寺の住職無涯仁浩を師として禅宗を信仰したという。
無涯の没後に建仁寺を保護し、塔頭永源庵は頼有を祖とする和泉上守護家8代の菩提寺となっている。
また、後小松天皇から賜ったと伝わる最古の錦旗が現存しており、永青文庫に所蔵されている。