鈴木由哲 (SUZUKI Yutetsu)
鈴木 由哲（すずき ゆうてつ・旧姓：倉持（くらもち））は、幕末の関宿藩久世氏の家老。
海軍大将・枢密院議長・内閣総理大臣を務めた鈴木貫太郎は長男。
通称は為之助。
経歴
鈴木の家は三河の渥美郡の出で、大名にこそなっていないが、旗本や譜代大名の家臣として多数を占めており、古くからの徳川の家臣である。
久世氏関宿藩五万八千石の家老（１万石）で、砲術の専門家で、鳥羽伏見の戦いにも従軍した。
久世家は関宿のほかにも和泉国にも領地があり、由哲はそこの代官を務めたことがあり、長男・鈴木貫太郎はその時生まれている。
関宿は江戸時代、利根川と江戸川の分岐点にあり、交通の要衝として重視されていた。
弟は彰義隊に入り上野戦争で官軍の兵士を沢山斬り戦い続けた大柄な剣豪。
鈴木の家には子供が無かったので由哲が倉持家から養子に入った。
倉持家は足利氏（室町幕府将軍家）の被官で鎌倉期から足利氏所領の管理を行い三河額田郡内に所領を持っていた家柄である。
晩年は関宿町町長を勤めた。
系譜
鈴木氏 鈴木家に子供が無かったので鈴木由哲が倉持家から養子入り（倉持家は足利氏家臣の家柄で文書係り）。
由哲の長男は第42代内閣総理大臣鈴木貫太郎。
孫の一は農林省山林局長､侍従次長､外務省出入国管理庁長官等をつとめた。
靖国神社宮司を務めた鈴木孝雄陸軍大将は次弟。
関東都督府外事総長・久邇宮御用掛の鈴木三郎は三弟。
四弟永田茂陸軍中佐は軍務での無理がたたり40代前半で死去（『日本の名家・名門人物系譜騒乱』）。