琵琶湖線 (Biwako Line)
琵琶湖線(びわこせん)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)東海道本線京都駅~米原駅間と北陸本線米原駅~長浜駅間の愛称である。
ラインカラーは青(■)。
概要
JR発足後、1988年3月13日に路線愛称が定められた時、京都~米原間もJR京都線と名付けられたが、地元や当時の滋賀県知事から地域密着の路線名にして欲しいとの要望があったため、翌1989年に再度命名した。
北陸本線の米原~長浜間は、1991年9月に田村駅~長浜間が交流電化から直流電化に変更された際に琵琶湖線に加えられたが、2006年10月に直流電化に変更された同線の長浜~敦賀駅間は琵琶湖線に加えられていない。
なお、東海旅客鉄道の車内放送においては、新幹線ではアーバンネットワークの愛称線名を使用しないが、大垣駅方面から米原駅に到着する普通列車では京都方面の電車に対してのみ「琵琶湖線」と案内することもある。
また、米原駅構内の案内でも大垣方面は「東海道線」、京都方面は「琵琶湖線」と案内されている。
京都~草津間は複々線で、外側の2線(外側線)は主として優等列車、貨物列車が使用し、内側の2線(内側線)は新快速・普通が利用している。
京都~米原間の全線で130km/h運転可能であり、特に京都~草津間は内側線も130km/h対応している。
大津・瀬田・南草津・栗東・守山・篠原・稲枝・南彦根は絶対信号を持たない停留所である。
能登川で上り、近江八幡で下り、野洲で上りがそれぞれ緩急接続が行えるほか、河瀬・安土に中線があり普通電車の特急待避や折り返しに使用される。
野洲には車両基地(京都総合運転所京都総合運転所野洲派出所)があり、221系・223系電車などが休む姿が見られる。
全区間で阪和線運行管理システムが導入されている。
琵琶湖線のすべての駅でJスルー・ICOCA、東日本旅客鉄道(JR東日本)のSuica、東海旅客鉄道(JR東海)のTOICA、またスルッとKANSAI協議会のPiTaPaが使用できる。
運行形態
琵琶湖線の運行系統は基本的にJR京都線・JR神戸線と一体で組まれている。
優等列車のほか、新快速や快速列車(琵琶湖線内では普通列車)がJR京都線・JR神戸線から直通運転している。
優等列車
北陸方面への特別急行列車は山科駅から湖西線に入るので、JR京都線と比べると本数は少ない。
定期で運転される列車は以下の通りである。
特急「はるか」「びわこエクスプレス」はラッシュ時に、夜行列車の寝台特急・急行列車は深夜・早朝に運転される。
寝台特急「富士 (列車)」「はやぶさ (列車)」(東京~大分・熊本)
寝台特急「瀬戸 (列車)」「出雲 (列車)」(東京~高松・出雲市)
急行「きたぐに (列車)」(新潟~大阪)
特急「びわこエクスプレス」(米原~大阪)
特急「はるか (列車)」(米原・草津~関西空港)
特急「しなの (列車)」(長野~大阪)
特急「ひだ (列車)」(高山~大阪)
ちなみに、特急を琵琶湖線内だけ利用した場合、新幹線を使うよりも特急料金が高い。
新快速
新快速はJR神戸線姫路・山陽本線網干・上郡・赤穂線播州赤穂方面からJR京都線を経て琵琶湖線長浜・北陸本線近江塩津駅・敦賀まで直通運転している。
昼間はJR京都線で毎時4本運転されているが、そのうち1本は山科から湖西線に入るため、琵琶湖線に入る新快速は3本、かつ野洲以東は毎時2本になる。
夕方以降は野洲まで4本運転される。
朝には草津・野洲以西が新快速、以東は普通で運転される電車もある。
一部列車を除き京都~草津間は内側線を走る。
米原以北はホーム有効長の関係で長浜発着は8両編成、敦賀・近江塩津発着は4両編成で運転される(12両運転の場合は米原で分割・併合を行う)。
2006年10月21日のダイヤ改正からそれまでの長浜発着の一部の電車が近江塩津・敦賀まで延長された。
全列車JR西日本223系電車1000番台及びJR西日本223系電車2000番台電車で運転される。
普通
琵琶湖線の普通電車はそのほとんどがJR京都線からJR神戸線へと直通し、高槻以西(朝と深夜は京都以西)を快速運転している。
早朝・深夜にはJR京都線に入らず、京都始発・終着の列車もある。
多くは米原や途中の野洲発着で運転されるほか、一部は大垣や長浜まで運転される。
列車の一部は草津・野洲で新快速に変わる(あるいは新快速から変わる)ものもある。
草津~京都間は内側線運転。
2008年3月のダイヤ改正より、日中下り普通電車の近江八幡での新快速待ち合わせが無くなり、米原を発車すると京都まで先着するダイヤに改められた。
朝晩に下りは近江八幡、上りは野洲で新快速の緩急接続を受けるものがある。
日中以降の野洲着新快速では米原(以遠)行き普通電車に乗り継ぎが可能である。
JR西日本221系電車・223系(1000番台・2000番台・JR西日本223系電車6000番台 (網干車))電車(いずれも網干総合車両所所属車)の6・8・10・12両編成で運転される。
平日朝の京都分割の野洲ゆきと米原発草津行き電車は4両の短編成である。
乗務員などは列車番号の末尾を取って「T電」と呼ぶ場合がある(高槻~京都間快速運転の場合の列車番号末尾は平日M、休日Kである。
これらもまとめてT電と呼んだり、平日M=M電、休日K=K電と呼んでいる)。
京都から草津線に直通する列車も朝夕に設定されており、京都総合車両所所属の国鉄117系電車・国鉄113系電車電車も使われている。
草津線・湖西線直通の普通電車の中には草津~京都間外側線を走るものがある。
平日のみ、朝晩には、西明石・新三田~草津・野洲間で4ドア車(JR西日本207系電車・JR西日本321系電車電車)による普通電車(京阪神緩行線)も運行されている。
列車番号末尾は、平日C(休日Bだが、休日の琵琶湖線内の運転はなし)である(こちらはまとめてC電と呼ばれている)。
なお、山科~京都間は湖西線の新快速電車・普通電車も走っている。
これについては湖西線を参照のこと。
今後の予定
山科~京都間に新駅を設置する構想がある。