龍谷大学 (Ryukoku University)

大学

大学全体

1639年(寛永16年)、西本願寺が設立した「学寮」を起源とし、大学としては大学令に基づく旧制大学からの歴史を有している。
総合大学として8学部を擁し、在籍する学生は2万人を数える。

建学の精神(校訓・理念・学是)

建学の精神

「真実を求め真実に生き真実を顕かにする」

さらに「平等」「自立」「内省」「感謝」「平和」という5項目を掲げ、浄土真宗の教えに基づく建学の精神を平易な言葉で要約している。

教育および研究

江戸時代の学寮、学林時代からの仏教に関する学問的、資料的蓄積があり、多くの宗教学者や著名な僧侶を輩出している。

1887年(明治20年)、社会改良運動の機関誌として普通教校学生有志により発刊された「反省会雑誌」は、1899年(明治32年)に「中央公論」と改題され、今日まで続く総合雑誌として発展している。

大宮図書館には大谷探検隊のシルクロード将来品の数々が収蔵されるほか、西本願寺から下賜された国宝・重要文化財を含む国内外の貴重書が多数所蔵される。

深草図書館「長尾文庫・コレクション」は、幕末から1985年までに刊行された社史の70%以上が収集されており、現在、追加収集を含め約16,800点を所蔵。
経済学部、経営学部の貴重な研究資料となっている。

企業・官公庁・研究機関等との産官学協同事業である「龍谷エクステンションセンター(REC)」は、研究成果としての特許の取得や一般市民向け講座などの多様な活動を展開している。
(詳細は龍谷エクステンションセンターの項を参照。)

学風および特色

明治近代建築である大宮学舎の本館、北黌、南黌など5つの建造物が国の重要文化財に指定されている。

大学法人の財務指標として、2005年に格付投資情報センター(R&I)より「AA-(ダブルAマイナス)」(21段階中4位)を受けており、2007年まで3年連続で同評価を維持している。

スクールカラー

スクールカラーは紫である。

沿革

1639年(寛永16年) 西本願寺学寮として創立

1650年(慶安3年) 学寮の制条(学則)を定める

1655年(明暦元年) 承応の教義論争に端を発して、幕府の命により学寮を廃止。
学林に改称

1788年(天明8年) 京都市中の大火により学林類焼

1792年(寛政4年) 学林講堂を再建

1867年(慶応3年) 学林改革始まる

1869年(明治2年) 破邪学(キリスト教)を開講

1871年(明治4年) 学林敷地を下京区七条通大宮に移転。
内学、皇学、漢学を開講

1872年(明治5年) 洋学「独乙語学篇」を開講

1875年(明治8年) ヨーロッパ式の学校制度を採用。
普通学を開講

1876年(明治9年) 大教校に改称

1879年(明治12年) 現在の大宮学舎本館、正門、南黌、北黌、旧守衛所など落成

1880年(明治13年) 明治天皇が行幸

1887年(明治20年) 普通教校、学生有志「反省会雑誌」(現在の「中央公論」の前身)を発刊

1888年(明治21年) 大学林に改称

1900年(明治33年) 仏教大学に改称

1902年(明治35年) 京都の仏教専門大学と東京の高輪仏教大学に分立

1904年(明治37年) 高輪仏教大学を廃して京都に統合

1905年(明治38年) 専門学校令により仏教大学が認可

1922年(大正11年) 大学令による(旧制)大学となり龍谷大学に改称

1928年(昭和3年) 女子の入学がはじめて許可される

1949年(昭和24年) 戦後の学制改革により新制龍谷大学となり文学部を設置

1953年(昭和28年) 西本願寺より大谷探検隊の収集物を大宮図書館に寄贈

1960年(昭和35年) 京都市伏見区に深草学舎を開設

1961年(昭和36年) 経済学部を設置

1962年(昭和37年) 短期大学部社会福祉学科を設置

1964年(昭和39年) 明治12年の西洋建築群(大宮学舎本館、正門、南黌、北黌、旧守衛所ほか)、国の重要文化財に指定

1966年(昭和41年) 経営学部を設置

1968年(昭和43年) 法学部を設置。
文学部社会学科を設置

1969年(昭和44年) 学園紛争勃発、深草学舎が50日間封鎖される

1983年(昭和58年) 社史コレクション「長尾文庫」を取得

1985年(昭和60年) 留学生別科を設置

1987年(昭和62年) ハーバード大学と大学創立350周年・日米国際シンポジウム開催

1988年(昭和63年) カリキュラム改革を実施し、セメスター制、グレード制を採用

1989年(平成元年) 創立350周年記念事業として滋賀県大津市に瀬田学舎を開設。
理工学部、社会学部を設置

1991年(平成3年) 龍谷大学エクステンションセンター(REC)開設

1996年(平成8年) 国際文化学部を設置(瀬田)

1997年(平成9年) 文学部、経済学部、経営学部に夜間主コース開設、ハイテクリサーチセンター落成(瀬田)

2001年(平成13年) 古典籍デジタルアーカイブ研究センターを開設、紫光館開館

2005年(平成17年) 大学院法務研究科法務専攻(法科大学院)を設置、東京オフィス開設

2006年(平成18年) 米国カリフォルニア州バークレーに(RUBeC)キャンパス開設

2007年(平成19年) 小学校教諭免許状取得支援制度を開始

所在地

深草学舎(京都府京都市伏見区深草塚本町)

大宮学舎(京都府京都市下京区七条通大宮東入大工町)

瀬田学舎(滋賀県大津市瀬田大江町横谷)

学部

文学部

真宗学科

仏教学科

哲学科 哲学専攻・教育学専攻

史学科 国史学専攻・東洋史学専攻・仏教史学専攻

日本語日本文学科

英語英米文学科

経済学部

現代経済学科

国際経済学科

経営学部

経営学科

法学部

法律学科

政治学科

理工学部

数理情報学科

電子情報学科

機械システム学科

物質化学科

情報メディア学科

環境ソリューション工学科

社会学部

社会学科

コミュニティマネジメント学科

地域福祉学科

臨床福祉学科

国際文化学部

国際文化学科

大学院

文学研究科(修士課程・博士後期課程)

経済学研究科(修士課程・博士後期課程)

経営研究科(修士課程・博士後期課程)

法学研究科(修士課程・博士後期課程)

社会研究科(修士課程・博士後期課程)

理工学研究科(修士課程・博士後期課程)

国際文化学研究科(修士課程・博士後期課程)

法務研究科(専門職学位課程、法科大学院)

別科

留学生別科

世界27カ国の留学生が在籍

短期大学部

附属機関

龍谷大学図書館

人間・科学・宗教総合研究センター

仏教文化研究所

社会科学研究所

科学技術共同研究センター

国際社会文化研究所

ハイテク・リサーチ・センター

ボランティア・NPO活動センター

古典籍デジタルアーカイブ研究センター

矯正・保護研究センター

地域人材・公共政策開発システムオープン・リサーチ・センター

人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター

里山学・地域共生学オープン・リサーチ・センター

アフラシア平和開発研究センター

智光館(アフラシア研究館)

知的財産センター

龍谷エクステンションセンター(REC)

滋賀本部(本館)

京都分室

東大阪分室

東京オフィス(東京都千代田区)

Ryukoku University Berkeley Center(RUBeC)(アメリカ合衆国カリフォルニア州バークレー)

南大日グラウンド(京都市山科区)

艇庫(滋賀県大津市)

留学生寮

龍谷会館

大宮荘

向島学生センター

ルミエール間宮学生寮

龍谷エクステンションセンター

1991年設立の「龍谷エクステンションセンター」(通称 REC)は、日本の大学では初となる産官学連携のインキュベーション施設。
2005年には経済産業省「広域新事業支援ネットワーク拠点重点強化事業」に採択された。

RECでは、滋賀を拠点として京都と東大阪市に分室をもち、日本最大規模のレンタルラボを設置している。
銀行との連携による企業への融資制度などを設け、共同の研究開発による企業育成にも努めており、大学発ベンチャー企業数では2000年度トップとなり、以後も常に上位にある。

公開特許件数13件
知的財産センター

一般市民を対象とした取り組みでは、「RECコミュニティーカレッジ」を開講し、瀬田キャンパスや東京を会場に年間約350講座開かれている。

私立大学学術研究高度化推進事業

文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業における採択事業の一覧。

ハイテク・リサーチ・センター整備事業

大学院理工学研究科(平成8年度、13年度)

情報通信システム研究センター(平成18年度)

革新的材料・プロセス研究センター(平成18年度)

学術フロンティア推進事業

古典籍デジタルアーカイブ研究センター(平成13年度~)

矯正・保護研究センター(平成14年度~)

アフラシア平和開発研究センター(平成17年度)

オープン・リサーチ・センター整備事業

人間・科学・宗教オープン・リサーチ・センター(平成14年度~)

地域人材・公共政策開発システム・オープン・リサーチ・センター(平成15年度)

里山学・地域共生学オープン・リサーチ・センター(平成16年度)

教育

現代的教育ニーズ取組支援プログラム

短期大学部「イメージ創生を中心としたキャリア教育」(平成17年度)

社会学部「大津エンパワねっと」(平成19年度)

特色ある大学教育支援プログラム

短期大学部「実習事前指導の体系的な実施」(平成15年度~18年度)

他大学との共同採択「大学連携による新しい教養教育の創造」(平成16年度)

大学院教育改革支援プログラム

理工学研究科「東洋の倫理観に根ざした国際的技術者養成」(平成19年度)

法学研究科「NPO・地方行政研究コース」(平成19年度)

学友会

龍谷大学学友会は龍谷大学の全ての学生によって構成される組織である。

学園祭

創立記念降誕会 - 実行委員会が組織され、第二の学園祭としての規模を持つ。

顕真週間 - 主に学友会宗教局が企画し、10月18日の前後約1週間にわたって開催

龍谷祭 - いわゆる公式の学園祭にあたる行事。
他大学が有料であることも多い歌手のライブイベントなども全て無料である。

学術文化祭 - 主に学友会学術文化局が企画し、学内各所で文化イベントなどが催される。

スポーツ

硬式野球部は関西六大学野球連盟に加盟しており、プロ野球選手や高校野球甲子園出場校の監督などが卒業生に多くいる。

アメリカンフットボール部「シーホース」は関西学生ディヴィジョンI(1部リーグ)に所属していたが、2007年、甲南大との入れ替え戦に負け2部に降格。

龍谷大学ラグビー部は、関西大学Aリーグ(1部)に所属していたが、2007年、摂南大学との入れ替え戦に負けBリーグに降格。

チアリーディングのチームである「バトン・チア・SPIRITS」は、関西学生バトン・チアコンテストでグランプリ8連覇を達成。

過去に佐渡裕が指揮をとっていたこともある吹奏楽部は全日本吹奏楽コンクール大学の部において、4回連続6度目の金賞入賞(2006年現在)を達成。

スキー部は、男女ともに全関西学生スキー連盟の1部校に属している。

陸上競技部は、卒業生に日本記録保持者がいる。

漕艇部は、男子では男子舵手付フォアで、全日本新人選手権2連覇、朝日レガッタ優勝、関西学生漕艇選手権4連覇(2006年現在)を達成。

学費

文、経、営、法、国際学部、98万1000円、理工、142万2600円、社会、101万6900円。

1年次諸会費(学友会、親和会、校友会費)3万3000~3万4000円別途

アカデミック・スカラシップ(入学時成績優秀者奨学金制度)

合格者の6人に1人が優遇を受けている。

一般入試全学部(総合点の得点が80%以上の合格者全員が対象)

1・2年次の2年間前期授業料免除
文系 73万1000円(2年間分)
理工 94万9000円(2年間分)

センター試験、全学部(入試成績上位合格者対象)

文系 146万2000円(2年間分)
理工 189万8000円(2年間分)

大学関係者組織

龍谷大学校友会 - 龍谷大学の卒業生からなる組織。
国内38支部、海外3支部で構成されている。

親和会 - 龍谷大学在籍生の保護者組織。
独自の奨学金制度などを設けて学生をサポートしている。

職業会計人グループ(RAS) - 龍谷大学の卒業生で、税理士、公認会計士などの有資格者からなる組織。

龍谷経営者の会 - 龍谷大学の卒業生で、経営者が中心となって組織される会。

教龍会 - 龍谷大学の卒業生で、中高などの学校教員からなる組織。

大学関係者一覧

龍谷大学の人物一覧

宗教行事

大学には宗教部という部局があり、以下の行事を主催している。
内容によっては休講などの措置がとられるが、学生の参加は任意であるため、行事の存在自体を知らない学生も多いとされる。
休講の多さから過去には文部科学省より授業時間不足の改善を指導されたこともある。

ご命日法要 - 原則毎月16日、大宮学舎

お逮夜法要 - 原則毎月15日、深草学舎

ご生誕法要 - 原則毎月21日、瀬田学舎

親鸞聖人降誕会法要 - 5月21日、創立記念日として終日全学休講。
学友会では同時に学園祭「創立記念降誕会」が開催される。

報恩講法要 - 10月18日、学部学科によっては休講となることがある。

朝の(晨朝)勤行 - 毎朝8時45分(大宮・深草)、毎朝9時(瀬田)

対外関係

学術交流協定

京都弁護士会

日本で初めて弁護士会と大学が締結した協定で、この協定に基づいて法学部の学生が夏季実習で弁護士事務所で法律の実体験をするほか、龍谷大学で弁護士が生の講義を行っている。

地方自治体との協定及び交流

まちづくりに関する包括協定

滋賀県大津市

日本で初めて行政と私立大学が締結した協定で、産業の振興や環境の保全、地域活性化、福祉事業など幅広い分野で協力協定を結び、新しい事業を生み出すことなどを目的としている。

連携協力に関する協定

京都府教育委員会

日本で初めて教育委員会と大学が締結した協定で、相互の人的・知的資源の交流・活性をはかり、相互に連携・協力して研究・協議を行い、その成果を双方の教育の充実・発展に寄与することを目的としている。

京都市、大阪市など、29市町村自治体

NPO・地方行政コースが市町村と連携協定を結び、学生の受入れ、公共政策の高度化・多様化をはかる実践的教育の「場」を提供することを目的としている。

日本国内

滋賀医科大学と交流協定締結されている。

同志社大学などと共に京都・宗教系大学院連合に加盟している。

佛教大学と小学校教諭免許状課程履修に関する協定を締結し小学校教論免許を取得可能。

日本国外

以下の大学と学生交換協定ないしは学術協定を締結している。

アメリカ合衆国

カリフォルニア州立大学ノースリッジ校

カリフォルニア大学デービス校

ミズーリ州立大学群

仏教大学院(IBS)

イリノイ大学ベックマン数理研究所

ハワイ大学システムマノア校

仏教研究センター(BSC)

アンティオーク大学

イギリス

ウエストミンスター大学

ニューカッスル・アポン・タイン大学

デンマーク

オーフス大学

スウェーデン

ヴェクショー大学

フィンランド

ヨエンスー大学

ロシア

モスクワ大学アジア・アフリカ学院

ウクライナ

キエフ大学

ポーランド

ワルシャワ経済大学

ドイツ

デュースブルク・エッセン大学

ベルリン科学技術大学

フランス

リヨン大学

カーン大学

スペイン

バルセロナ自治大学

バレンシア大学

カナダ

カルガリー大学

オーストラリア

RMIT大学

マードック大学

フリンダース大学

ラトローブ大学

ニュージーランド

クライストチャーチ・ポリテクニック大学

メキシコ

メトロポリタン自治大学

中華人民共和国

上海師範大学

復旦大学

華東師範大学

上海大学

中国人民大学

大連外国語大学

中山大学

吉林大学

中国社会科学院

上海対外貿易学院

北京大学国際関係学院

西安交通大学人民社会科学院

清華大学

中国農業大学

西安軽工業大学院

同済大学

大韓民国

東亜大学校

朝鮮大学校

成均館大学校

東国大学校

円光大学校

全南大学校

郡長工業専門大学校

タイ王国

チュラーロンコーン大学

アサンプション大学

インドネシア

ハサヌディン大学

姉妹校

京都女子大学

関係校 ・付属校

龍谷大学付属平安中学校・高等学校 - 2008年度より「平安中学校・高等学校」から改称した。

北陸学園北陸中学校・高等学校 - 教育連携校

崇徳中学校・高等学校 - 教育連携校

上宮中学校・高等学校 - 教育連携校

交流校

ハーバード大学 - 同時期に創立350周年を迎えた本学と共同で大学創立記念会や日米国際シンポジウムを開催。

文化財

龍谷大学では以下の国宝・重要文化財を所蔵している。

国宝

「類聚古集」

重要文化財

建築物

大宮学舎本館

大宮学舎北黌

大宮学舎南黌

大宮学舎旧守衛所

大宮学舎正門(附帯・渡廊下、設計図2幅)

書物

「李柏尺牘稿」(大宮図書館所蔵)

附属学校

龍谷大学付属平安中学校・高等学校

追記

北陸高校(福井県) 高大連携に関する協定締結
上宮高等学校(大阪府) 同上

[English Translation]