興福院 (Konbu-in Temple)

興福院(こんぶいん)は、奈良県奈良市法蓮町にある浄土宗の尼寺。
山号を法蓮山と称する。
本尊は阿弥陀如来、開基(創立者)は和気清麻呂ともいい、藤原百川ともいう。

起源と歴史

興福院の創建については複数の説があり、中世以前の沿革はあまり明らかでない。

寺伝では天平の頃、和気清麻呂が学問所として創建した弘文院が前身という。
また、「諸寺縁起集」などの史料には藤原百川が創建した興福尼院が前身とされている。
なお、本尊の阿弥陀三尊像が奈良時代の作品であることから、寺の創建も奈良時代にさかのぼると思われる。

寺はもと添上郡興福院村(近鉄尼ヶ辻駅近く)にあった。
徳川家綱代の(寛文5年(1665年))に現在地の法蓮町に移転し、尼寺として再興された。
第2世の尼僧は、元大和郡山城主豊臣秀長の未亡人。
3代徳川家光から14代徳川家茂までの将軍の位牌をまつっている。

伽藍

大門から抜けた庭(小堀遠州作)の先、中門の奥に本堂がある。
本堂と渡り廊下で結ばれた客殿がある。

客殿 - 重要文化財。
江戸時代、寛永年間頃に建てられた、入母屋造り瓦葺の建物。
檜皮葺きの玄関が付属する。

大門 - 奈良県指定文化財。
(寛永頃)

本堂 - 奈良県指定文化財。
(寛永19年(1642年))

重要文化財

客殿(附玄関)
乾漆阿弥陀三尊像-当寺の本尊。
木心乾漆造。
奈良時代の作。
ただし、表面の漆箔は江戸期の補修である。
脇侍の観音菩薩像・勢至菩薩像は半跏像。

刺繍袱紗(ししゅうふくさ)31枚 -徳川綱吉の側室・瑞春院の寄進。
縦横とも50cmほどの大きさがあり、盆などに掛ける掛袱紗である。

絹本著色阿弥陀二十五菩薩来迎図
古葉略類聚鈔

その他の文化財

釈迦如来坐像 - 木造、江戸期(元禄3年(1690年))

所在地

〒630-8113 奈良県奈良市法蓮町881

交通アクセス

近鉄奈良線近鉄奈良駅から奈良交通バス「自衛隊前」「西大寺」行き(法華寺経由)で9分
「佐保小学校前」下車、徒歩5分

[English Translation]