西寺 (Sai-ji Temple)
西寺(さいじ)は、平安時代、現在の京都市南区 (京都市)唐橋にあったとされる寺で、796年桓武天皇の勅願により平安京内で最初に建造が許された2つの官寺の一つ。
当時は、羅城門を入ってすぐ、朱雀大路を挟んで東側に東寺があり、西側に西寺があった。
西寺は東寺とほぼ同規模の大きさの寺院だとされ、僧綱所などが置かれたとされる。
西寺の僧であった守敏の衰退とともに寺も廃れていったとされる。
990年(正暦元年)に伽藍がほぼ焼失した後、1233年(天福 (日本)元年)にも焼失し、荒廃していった。
1921年に国の史跡「西寺跡」(さいじあと)に指定された。
1959年からの発掘調査により、金堂・廻廊・僧坊・食堂院・南大門等の遺構が確認され、当初の未指定部分が1966年に追加指定された。
在来の土壇は講堂跡と判明した。
東寺とあいまって平安京の規模を知る上にも重要とされる。
現在は発掘時出土した金堂礎石の一部が残るのみで、小学校の敷地や講堂跡の都市公園・唐橋西寺公園になっている。
なお、唐橋西寺公園近くの南区唐橋平垣町には「西寺」の寺号のみを継いだ小寺院がある。