世尊寺 (Seson-ji Temple)
世尊寺(せそんじ)は奈良県吉野郡大淀町上比曾にある曹洞宗の寺院である。
吉野寺、比蘇(比曽)寺、現光寺、栗天奉寺とも呼ばれた。
歴史
聖徳太子が建立した48ヶ寺の一つとされているが、詳細は不明である。
『日本書紀』欽明天皇14年年5月の条に次のような逸話が載っている。
河内の国司から「和泉群の茅渟海から地震や雷のように響くほどの雅楽が聞こえる。また、麗しく照り輝き日の光のようです。」と知らせてきた。
天皇は怪しみ、溝辺直を使わし、海の中を探らせた。
使いは海の中で照り輝く樟木を見つけ、天皇に奉った。
天皇は匠に命じて、仏像2体を造らせた。
今の吉野寺に光を放っている樟の仏像である。
同寺に残っている瓦や伽藍配置などから、少なくとも飛鳥時代(7世紀後半)には存在していたとされる。
平安時代には清和天皇や宇多天皇が行幸し、また藤原道長が参詣するなど大いに栄えた。
中世以降は、相次ぐ戦乱などにより荒廃した。
建造物
本堂
太子堂(奈良県指定有形文化財(建造物))
文化財
木造十一面観音立像(奈良県指定有形文化財(彫刻))
比曾寺跡(国の史跡)
アクセス
近鉄吉野線六田駅より奈良交通バス「比曽口」下車、徒歩15分。
大淀町ふれあいバス、中増・上市コース「世尊寺(駐車場前)」下車すぐ。
増口・上市コース「北野台5丁目」下車、徒歩5分。