法金剛院 (Hokongo-in Temple)
法金剛院(ほうこんごういん)は、京都市右京区花園_(京都市)にある律宗の寺院である。
山号を五位山と称する。
本尊は阿弥陀如来、開基(創立者)は藤原璋子とされる。
多くの古仏を伝え、平安時代の浄土式庭園を残す寺として知られる。
花の寺としても知られているが、とりわけ蓮の名所として名高い。
歴史
法金剛院は、古くから名勝の地として知られる双ヶ丘(ならびがおか)の東麓にある。
付近には妙心寺、仁和寺などの著名寺院や史跡も多い。
この地には平安初期の貴族・清原夏野(782年 - 837年)の山荘があり、夏野の死後、山荘を寺に改めたものが当寺の前身であるという。
20年ほど後の天安 (日本)2年(858年)、文徳天皇の発願で伽藍を建立し、天安寺と称した。
その後、寺運は衰えたようだが、3世紀ほど経た平安末期の大治5年(1130年)、待賢門院(1101年 - 1145年)により再興された。
待賢門院は藤原氏の出身で、鳥羽天皇中宮であり、崇徳天皇、後白河天皇の母である。
最盛期の法金剛院には九体阿弥陀堂、丈六阿弥陀堂、待賢門院の御所などが立ち並んでいたというが、度重なる災害により、壮観だった当時の面影はない。
なお、平安末期の浄土式庭園の遺構が1968年に発掘・復元されている。
現存する阿弥陀如来像は像高2.2メートルを超える大作で、丈六阿弥陀堂の本尊と推定されている。
伽藍
本堂などは江戸前期、元和 (日本)3年(1617年)の再建である。
文化財
重要文化財
木造阿弥陀如来坐像 - 平安後期の定朝様(じょうちょうよう)の阿弥陀像。
坐高2.2mの大作で、仏師院覚の作と推定されている。
厨子入木造十一面観音坐像 - 元応元年(1319年)仏師院吉らの作。
四臂(手が4本)で坐像の十一面観音は例が少ない。
木造地蔵菩薩立像 - 平安後期
木造僧形文殊坐像 - 平安後期
蓮華式香炉 - 古清水(こきよみず)焼きで蓮の花をかたどった香炉。
京都国立博物館寄託。
特別名勝
青女滝(あおめたき)(附五位山) - 平安末期の浄土式庭園の遺構である。
その他
木造地蔵菩薩坐像 - 平安後期
一丈六尺の大きさで目に金箔が貼られていたことから金目(かなめ)地蔵と呼ばれる。
転じて要地蔵、叶(かなえ)地蔵とも呼ばれる。
通常非公開。