退蔵院 (Taizo-in Temple)
退蔵院(たいぞういん)は京都市右京区花園にある臨済宗大本山妙心寺の塔頭(たっちゅう)である。
初期水墨画の代表作である国宝・瓢鮎図(ひょうねんず)を所蔵することで知られる。
歴史
応永11年(1404年)に越前の豪族・波多野重通(はたのしげみち)が妙心寺第三世・無因宗因(むいんそういん)を開山として千本通松原に創建し、日峰宗舜(にっぽうそうしゅん)により妙心寺山内に移される。
一時期衰退するが、後奈良天皇の帰依が深かった亀年禅愉(きねんぜんゆ)により中興される。
建造物
方丈(重要文化財)
内部の襖絵は狩野光信の高弟であった狩野了慶の筆によるもので、桃山後期の優れた遺品とされる。
(内部は通常非公開)
大玄関(重要文化財)
庭園
元信の庭
狩野元信の作と伝わる枯山水の優美な庭園で、枯滝・蓬莱山・亀島と石橋など多数の庭石が豪快に組まれている。
余香苑(よこうえん)
昭和38年(1963年)から3年の月日を費やして造園家の中根金作(なかねきんさく)が作庭した昭和を代表する名園で、大刈込みの間から三段落ちの滝が流れ落ち,深山の大滝を見るような風情がある。
水琴窟(すいきんくつ)
文化財
国宝
紙本墨画淡彩瓢鮎図
室町水墨画の先駆者・如拙の作。
如拙筆の確証がある数少ない作品の一つで、日本の初期水墨画の代表作の一つである。
画面上部の序文により、室町幕府4代将軍足利義持の命で制作されたことがわかる。
つるつるの瓢箪でぬるぬるしたなまず(「鮎」は「なまず」の古字)を捕まえるにはどうすればよいかという,およそ不可能な問いかけを図示したものであり、禅の公案を絵画化したものである。
現状、紙面の下半に絵があり、上半部には序文に続けて30名の禅僧による賛が書かれているが、当初は座屏(ついたて)の表裏にそれぞれ絵と賛を貼ったものであった。
(原品は京都国立博物館に寄託され、寺で見られるのは模写である。)
重要文化財
本堂(方丈) 附玄関
花園天皇宸翰消息
後奈良天皇宸翰徽号勅書
後奈良天皇宸翰消息
所在地・アクセス
京都市右京区花園妙心寺町35番地
JR嵯峨野線「花園駅 (京都府)」下車、徒歩
JR京都駅より京都市営バス「妙心寺北門前」(約40分)下車、徒歩
京福電気鉄道北野線「妙心寺駅」下車、徒歩