国母 (Kokumo/Kokubo (imperial mother))
国母(こくも/こくぼ)は、天皇、国王の生母の称号。
『職原抄通考』によれば「国母、治世天子御母也」とあり、あくまで現天皇の生母であり、皇后・皇太后など(天皇の正室)の地位とは異なるが、まれに皇太后の意で誤用されることもある。
『日本三代実録』の元慶3年3月25日 (旧暦)(879年4月20日)条に、淳和天皇の皇后・正子内親王が崩御した時の記事として「淳和太后崩、既曰国母、可謂至尊」とあるのが初見。
また、天皇の生母ではないが、養母として天皇の養育にあたった后妃や、母に準ずる存在に擬せられた女性を「准母」という。
一条天皇生母の藤原詮子が出家して東三条院となって以来、国母・准母は出家後に女院号を受けるのが通例となった。
後の時代になると出家しなくとも女院となったり、また国母・准母以外にも女院号を受ける例も出た。
明治維新以降は、国母の称は用いられなくなった。