是定 (Zejo)
是定(ぜしょう)とは、平安時代、橘氏及び王氏の氏長者の称号。
概要
是定とは、皇別氏族、特に橘氏の氏長者の称号である。
平安時代、皇親である王氏をはじめ、源氏、藤原氏、橘氏などの氏長者は、同族内から毎年、氏爵により叙爵する者を推挙する権能を許されていた。
しかし、橘氏が次第に衰退し、参議橘恒平を最後に公卿を輩出しなくなったこともあり、ついに氏爵の推挙は大納言橘澄清の女より生まれた藤原時姫(藤原兼家正室)所生の大納言藤原道隆に委ねられることとなった。
そして、この権能を担う者を是定という。
以来、橘氏の外戚にある藤原氏や源氏の公卿が橘氏の推挙に基づき、天皇の宣旨を氏院に賜り、是定となった。
この称号は王氏即ち皇族の間でも存在し、第一親王、後に諸王の中から選出された長者が諸王を代表して是定となったが、平安時代以降、諸王の数が減少すると、神祇伯の家系に移り、一旦、第一親王の手に委ねられるも、再び神祇伯の家系に継承されることとなった。
是定の奉書を是定宣という。