左大臣 (Sadaijin (Minister of the Left))
左大臣(さだいじん)は、朝廷組織の最高機関、太政官の職の一つ。
唐名は「左府」「左丞相」「左相国」「左僕射」「太傅(たいふ)」。
和訓はひだりのおおいもうちぎみ/ひだりのおとど。
正・従二位の官位相当。
「一上(いちのかみ)」の別称が示すとおり、太政官の職務を統べ、台閣の首座に等しかった。
左大臣の上には太政大臣が存在するが、常置の職ではなく、その資格がある人を欠く場合は置かれず、その場合には左大臣が太政官の最高位であった。
後には太政大臣は名誉職とされて、左大臣が太政官における事実上の最高指導者と看做された。
『日本書紀』『続日本紀』などの記録を見ると、律令制の初期には条件を満たす太政官が存在しない場合、左大臣も空位になっていたケースが存在した。
その場合は右大臣が政務を代行した。