神楽歌 (Kagurauta)
神楽歌(かぐらうた)は、神楽でうたわれる歌である。
概要
今日知られるものは以下の37曲である。
庭燎(にはび)
阿知女(あちめ)
ー厳密に言えば,「作法」といって,歌曲ではない。
採物歌
ー榊(さかき)、幣(みてぐら)、杖(つゑ)、篠(ささ)、弓(ゆみ)、剣(たち)、鉾(ほこ)、※(外字。左に「木」、右に「夕」。ひさご)、葛(かつら)、韓神(からかみ)。
人長がこれらのものを取って舞ったから、採物歌と名付けられた。
大前張
ー宮人(みやびと)、木綿志手(ゆふしで)、難波潟(なにはがた)、前張(さいはり)、階香取(しなかとり)
小前張
ー薦枕(こもまくら)、閑野(しづや)、磯等前(いそらがさき)、篠波(ささなみ)、埴舂(うゑつき)、総角(あげまき)、大宮(おおみや)、湊田(みなとだ)、蟋蟀(きりぎりす)、千歳(せんざい)(一説に「千歳」を除く)、
早歌(はやうた)
星三種
ー吉吉利利(ききりり)、得銭子(とくせんこ)、木綿作(ゆふつくる)
雑歌
ー昼目(ひるめ)、立弓(ゆだち)、朝倉(あさくら)、其駒(そのこま)(一説に「千歳」を加える)、
竈殿歌(かまどのうた)
酒殿歌(さかどのうた)
うたはおおむね31字で、奈良時代以後の調である。
「宮人」以下の歌曲は、もとは催馬楽であった。
その後、神楽の余興に催馬楽を歌い興じたから神楽歌のなかに混入したものである。
現今行なわれるのは17曲である。
とりわけ「閑野」、「磯等前」は祈年、新嘗におこなわれ、「昼目」は秘曲として大嘗祭にかぎっておこなわれるという。